お薬による角膜障害

  • ダトロウェイによる治療中、角膜炎などの角膜障害があらわれることがあります。
  • 最初は眼がゴロゴロする、眼が乾くなどの症状ですが、治療せずに放置すると、視力低下など重症化する可能性もあるため、速やかな治療が必要です。
  • 角膜炎を予防し、症状を軽減するためには、眼の表面への刺激を避け、うるおいを保つケアが大切です。
眼球の断面図のイメージイラスト

角膜とは、黒目の表面の透明な膜であり、通常、涙でおおわれています。
角膜は目に入ってくる光の入り口として働くだけでなく、外からの刺激や異物に対するバリアとして機能しています。

主な症状

涙の量が増える、いつもよりまぶしく感じる、眼が痛い、眼がゴロゴロする、物が見えづらい、眼が乾燥する、眼が充血する 涙の量が増える、いつもよりまぶしく感じる、眼が痛い、眼がゴロゴロする、物が見えづらい、眼が乾燥する、眼が充血する
重要

上記の症状や、それ以外にも眼の異常を感じた場合は、がまんせず、速やかにダトロウェイによる治療を受けている病院の医師、看護師、薬剤師に知らせてください。

毎日のセルフケア

角膜炎の予防や症状の悪化を防ぐために、ダトロウェイによる治療中は、担当医の指示に従い、以下のことを実施してください。

点眼薬はご自身で薬局またはドラッグストアで購入してください。
詳しい情報は「ダトロウェイによる治療を受ける患者さんとご家族へ」をご覧ください。

点眼

点眼の目的は、不足しやすい涙液を補うことと、涙液へ移行したダトロウェイの成分を洗い流すことです。
そのため、回数をしっかり守って点眼することが大切です。

コンタクトレンズの使用について

コンタクトレンズの使用は眼の表面に刺激を与え、眼の表面のキズの原因になることがあります。

  • 原則として、コンタクトレンズの使用は控え、メガネで過ごすようにしましょう。

正しい点眼のしかた

  1. 手を洗う

    石けんで手や指先をていねいに洗い、しっかりすすぎましょう。

  2. 下まぶたを引き下げる

    顔を上に向けて、下まぶたを軽く引き下げます。

  3. 点眼する

    容器の先がまぶたや、まつ毛、眼に触れないようにしましょう。

  4. 眼を閉じる

    点眼後はまばたきをせず、まぶたを閉じ、あふれた液をティッシュで軽くふき取ってください。

眼をいたわる工夫

眼にやさしい環境づくり

  • パソコンやスマートフォンの長時間の使用は眼に負担がかかります。こまめに眼を休めましょう。少しの時間、眼を閉じるだけでも効果があります。
  • 乾燥した環境は、眼に負担がかかります。エアコンがきいた室内にいるときは、なるべく直接風があたらないように調節したり、加湿器を使い、湿度を保つようにしましょう。

簡単うるおいケア

パームアイ

手のひらの温かさを感じながらやさしく眼をおおいましょう。

手のひらを10回ほどこすり合わせ、1分間両眼をおおいます。

ホットタオル・ホットアイマスク

ほっとリラックスできるくらいの温度で目元を温めましょう。

ホットタオルまたはホットアイマスクを5~10分程度目元に当て、温めます。

監修:鈴木 茂伸 先生  国立がん研究センター中央病院 眼腫瘍科 科長