間質性肺疾患かんしつせいはいしっかんとは

  • 「間質性肺疾患」は、肺胞という肺の一番奥の小さな部屋(空気を交換する場所)の壁が炎症や線維化により厚くなって、酸素が取り込みにくくなり、動脈血中の酸素が減少して呼吸が苦しくなる病気です。
  • 初期には無症状か、軽い息切れや咳、微熱がみられる程度です。
  • しかし、症状が進行すると、重症化して命にかかわることがあるため、速やかな診断と治療が必要です。
  • ダトロウェイによる治療中に間質性肺疾患があらわれることがあり、間質性肺疾患により亡くなった症例も報告されています。

間質性肺疾患の主な症状

重要

以下のような症状※1があらわれたり、悪化したり、続く場合、またそれ以外の呼吸器の異常を感じた場合は、速やかにダトロウェイによる治療を受けている病院に連絡しましょう。

  • 「これくらいの症状はがまんしよう」
  • 「こんなことで先生に連絡するのは申し訳ない」
  • 「次の診察で相談しよう」
  • 初期症状は、無症状または軽い息切れ、咳、微熱がみられます。
  • 放置しておくと、急に症状が悪化し、命にかかわることもあるため、早期発見と早期治療が大切です。

こんなときは、速やかに連絡!

息切れ・息苦しさ

  • 階段を登ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる
  • 日々悪化し、安静時でも息苦しく感じる

咳(特に空咳:痰の出ない咳)

  • 日々悪化する

発熱

  • 1日経っても下がらない
  • 他の症状(咳、息切れなど)もでている

(パルスオキシメータをお持ちの場合)
パルスオキシメータ測定値の低下

  • 安静時の測定値が以前より下がった
  • 階段を登ったり、少し無理をしたりした後に測定したら安静時より下がった
重要

以下について医療関係者に確認しましょう。

  • パルスオキシメータの正しい使い方※2
  • ダトロウェイによる治療を受けている病院への連絡・受診が必要な測定値の目安

※2測定時の注意点の例
運動直後や手が冷たいとき、指に装着した直後などは、正しく測定されません。一度測定して低い値だった場合は、慌てず数回測定しましょう。ダトロウェイによる治療を始める前の、安静時と運動後のご自身の平均値を知っておきましょう。

※1すべての症状がそろわないこともあります。また、呼吸器の症状は上記のものに限りません。

知っておきたい!ワンポイントアドバイス

重要

病院に電話する際は、はじめに以下の事項を伝えるようにしましょう。

  • 診察券番号
  • 治療を受けている診療科、担当医の名前
  • 治療薬の名前(ダトロウェイ)
  • いつから、どのような症状がでているのか
    (具体的に)
  • 症状がでたら、担当医から速やかに病院に連絡するよう指導されていること

(例)発熱、息切れ症状があるとき(間質性肺疾患の疑い)

●●科●●先生が担当医で、現在、ダトロウェイによる乳がん治療を受けています。 外出先から帰宅するとき、普段より息苦しさがあり、熱も普段より高いです。 このような症状があるときは、速やかに連絡してくださいと●●先生から言われており、お電話しました。

「ダトロウェイ患者携帯カード」に病院の連絡先を記入しておきましょう。

ダトロウェイ患者携帯カード

治療中は「ダトロウェイ患者携帯カード」を常に携帯してください。

  • 患者さん向け資材「ダトロウェイによる治療を受ける患者さんとご家族へ」の最終ページに切り取り式「ダトロウェイ患者携帯カード」がついています。
  • 本ページからもダウンロードいただけます。
ダトロウェイ患者携帯カードの画像
ダトロウェイ患者携帯カードの画像

掲載資材は、適宜最新版に更新します。
印刷する場合は、その都度、本ページより最新版をダウンロードしてご活用ください。

外出する時

  • 症状について速やかに病院に連絡、また、他の医療機関や薬局にかかるときに提示できるよう、このカードを財布などに入れて常に携帯してください。
  • 携帯できない場合には、携帯電話やスマートフォンで撮影し、いつでも確認できるようにしてください。

他の医療機関や薬局にかかる時

  • 医師、看護師、または薬剤師に必ずこのカードを見せてください。
ダトロウェイを投与していることを伝えてください

緊急時

  • 緊急時、このカードに記載の医療機関を受診できない場合は、救急対応が可能な医療機関を受診してください。

【ご家族または介護されている方へ】

救急隊員や緊急時受診先の医師などに患者さんの状況を伝えるときは、このカードを提示しダトロウェイを投与していることを伝えてください。

監修:岩田 広治 先生 名古屋市立大学大学院医学研究科 臨床研究戦略部 特任教授